〜キネティックチェーンを正しく理解する〜
投球動作の指導現場で「腕を振れ」「腕を速く使え」
という言葉は頻繁に使われます。
しかし、その前に確認すべきことがあります。
腕とは、どこからどこまでなのか?
関節で考える「腕」
多くの方は「指先から肩まで」と考えがちですが、これは非常に限定的な見方です。
関節構造で考えると
- 前面:胸鎖関節
- 背面:肩甲胸郭関節
つまり腕とは指先から、前面は首元(鎖骨)、背面は肩甲骨までを含む構造だと言えます。
肩甲骨は腕の一部として機能しており、ここが動かなければ腕は本当の意味で加速しません。
筋肉から見た「腕」の正体
次に筋肉の付着から考えてみます。
上腕骨に付着している筋肉を
「腕の筋肉」と仮定すると、
- 前面:大胸筋
- 背面:広背筋
が大きく関与します。
そしてそれぞれの付着部は
- 大胸筋:鎖骨・肋骨
- 広背筋:背骨下部〜骨盤
つまり筋肉の連続性で考えると、腕とは
前面は肋骨から
背面は骨盤から
始まっている構造なのです。
キネティックチェーンの正しい捉え方
この「腕」の定義を踏まえた上で、投球動作におけるキネティックチェーンを整理します。
背面のキネティックチェーン
骨盤 → 背中 → 腕 → 指先
前面のキネティックチェーン
肋骨 → 胸 → 腕 → 指先
投球動作とは、前面と背面、両方のチェーンが協調しながらエネルギーを末端へ伝えていく動作です。
どちらか一方が途切れれば、スピードは落ち、負担は局所に集中します。
腕を「使う」のではなく「流す」
腕を強く使おうとすると、肩や肘で無理に出力してしまいます。
しかし実際には、
- 背面では骨盤由来のエネルギーが
- 前面では肋骨由来のエネルギーが
腕を通過し、指先へ流れていくこれが理想的な投球動作です。
腕は主役ではなく、エネルギーの通り道。
ここを理解することが、パフォーマンス向上とケガ予防の大きな鍵になります。
この考え方が、皆さまの投球動作やトレーニングの新たな視点となれば幸いです。
ネクサスフィットネス浦和では、解剖学と運動学をベースに「なぜそう動くのか」を大切に指導しています。
感覚だけに頼らない。
理論だけで終わらせない。
身体で理解し、動きで変える。
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